カルマ(通い猫時代)

ひとり暮らし会社員時代

カルマ

二番目の通い猫は、オスの茶トラ。
こちらは最初の猫と違って、警戒心のかけらもなさそうな子でした。

 

スーパーの袋が猫を呼ぶ

買い物から帰って来たらドアの前に茶トラの猫がいた。もしかしたら、あの母猫がまた来てくれたのかと近づいたら、ちょっと大きい。しかもオスだ。何より違うのがスリスリのしかた。一心不乱にスリーッ、クルッ(向きを変えている)、スリーッを繰り返す。かがんでいる私は足がしびれてきたので、もう部屋にはいろうとしたら、ササッと部屋に入ってしまった。
じゃあ、なにか食べ物でもと思ったが、私はめったに料理をしないので買い置きというものがない。だが、この時はたまたま自分でご飯を作ろうとスーパーに食料品を買いに行った帰りだったのだ。買って来たのは、大根とコーンの缶詰とホタテの水煮缶。ガーン、このラインナップでは、ホタテの水煮缶をやるしかない。高かったのに…。しばらく迷ったが、しょうがないので缶をあけてほんのちょっと食べさせた。猫はとっても気に入ったらしい。結局全部食べられた。
それからは毎日来るようになったが、ドライフードもウマウマと食べてくれたのでひと安心。

 

しつけは根気

猫は(アパートにいるときは名前はつけなかった)、夕方ご飯を食べに来て夜中に出て行く。そして、朝になるとまたご飯を催促しにやってくる。
朝、猫は網戸にへばりついて私を呼ぶので、窓を開けて部屋に入れる。私としては再び眠りたいところだが、猫はご飯の催促に来ているのだから絶対に許してくれない。
季節は夏で、私はキャミソールをパジャマ代わりにして寝ていた。そして暑いときの私の寝相は両手をあげて、万歳のポーズ。猫はそのむきだしのわきの下をあのザラザラのベロでなめてくる。これを無視して寝るのは誰にだって不可能だと思う。
私はじたばたして、奇声をあげながら猫を押し戻そうとするのだが、猫はこれが私を起こすのに最も効果的だと知ってしまったので、少しもひるむことなくわきの下から二の腕の内側を執拗になめる。たまらん!!
結果、私は呼ばれたらさっと起きてさっとご飯の用意をすることを、猫にしつけられた。

 

家に連れ帰る

アパートには猫嫌いも当然いる。
私の部屋の通い猫になっていることはバレなかったものの、アパートの(猫嫌いの)住人の間で保健所を呼ぼうとしているのを知った。保健所の話を聞いた瞬間、「私が実家に連れて行きます」と言ってしまった。
翌日、キャリーバッグを買ってきて実家に連れていった。

 

通い猫から飼い猫へ

実家についたが、父は猫が嫌いだし、母は家が汚れるからと反対するに決まっている。話をしたら予想通り反対されたが、家の中には入れないが、えさは与えてやる、ということでなんとか実家に置いてもらうことになった。
しばらくして再び実家に帰ったとき、猫は家の中でごろんと寝ていた。「猫が家に上がってるけどいいの?」と聞いたら、「外は寒くてかわいそうじゃない!」と非難された。それじゃなんだか私がつめたい人みたい、まぁ、いいんだけど……
こうして、猫は「カルマ」と名づけられ、家の飼い猫になった。
この半年後には私も実家に帰り、カルマとの暮らしが始まるのだった。

(in Dec. 2000)

196*-2000 ねこばかへの道程