妊婦ねこ

ひとり暮らし会社員時代

一人暮らしをしていたときのこと。それはたった2年間で終わりましたが、その間に2匹の猫と出会いました。 先に出会ったのは茶トラの妊婦猫。もう一匹も茶トラで、こちらはオス。 たぶんお互いは何の関係もない……と思います。

 

出会い

アパートの前にアイスクリーム屋さんの車が止まっていた。アイスクリームを買って部屋に戻ろうとしたところへ猫がやってきた。アイスクリームを指ですくってなめさせたのがはじまりで、ときどき会いに来てくれるようになった。

 

部屋に連れ込む

部屋の前ではスリスリしても、部屋の中へは警戒してなかなか入ってくれない。それでも一歩ずつ奥へと進ませて慣れさせ、最後にはベランダからの出入りを覚えさせた。それからは夜、食べ物の催促に来て、1時間ほど部屋に滞在して出て行くという毎日だった。

 

出産

ある夜、テレビを見ていた。猫はベッドで横になっていた。
突然、アウーアウーと普通ではない声が!
何事かと猫を見るとおなかがうごめいている。うぁー、出産だぁ!
こんなとこで産気づいていいのか、なにか産箱になるものは!とキョロキョロしているうちにベッドの上で一匹目の子供を産んでしまった。そのまま全部で6匹の仔猫を産み落とした。その間私は、ドラマなんかでよくある初めてパパになる人の図さながら、ベッドの前でうろうろしていた。
それにしても、出産というのは、もっと落ち着ける静かな場所でするものじゃないの?あんなになにげなく産んじゃうなんて…
その後、洗濯物入れのバスケットにベッドカバーをいれて、そっちに移動してもらった。私の部屋にはお客様用ふとんなんてないから、ベッドごと提供するわけにはいかないのだ。

 

はい、さようなら

2日ほどしたら、猫は仔猫を一匹ずつどこかへ連れていった。
ところが、最後の一匹を残したままいつまでも戻ってこない。半日待って、この子は私が育てよう、と決心したところへ連れに来た。
私の部屋は産室にしてもいいほど安全だけど、仔猫を育てるにはふさわしくなかったわけね。何がよかったの?どこが悪かったの?不思議だ…
後は、母猫だけがご飯を食べに来ていたが、しばらくしたら顔も見せなくなった。元気でいてくれればそれでいいと思いながらも、子育てが終わったら、栄養補給源の私にはもう用はないって感じでちょっとさびしい。

(in Dec. 2000)

196*-2000 ねこばかへの道程